私は2013年より自身のレーシングチームを立ち上げて主に日本国内でのレース活動を行っている。
2014年からは全日本ロードレース選手権にも参戦を開始したのでもう(まだ?笑)6年も経つんだね。毎年国際ライダーが自身のチームから参戦してくれるのは非常に嬉しい限りだ。今まで所属してきたライダー、そして今いるライダー全てにありがとうと感謝したい。本気で思っているよ笑
7年前なので私が31歳で立ち上げたワケだが、当時は否定的な事も多く非常に厳しいレース活動だったし、何よりチームを代表する自分も若すぎたと思う。至らなかった点は多くの諸先輩方に助けられそして今現在に至るまでお世話になっている。狭いレース業界は大きな一つの社会の縮図だよねぇ。感謝しております。
なぜレーシングチームを??
私自身のライダーとしてのレース活動は30歳で終えており、その翌年にたまたま若い10代のライダー(RS125R)のメカニックを友人の頼みで仕事で受ける事になったのが始まりだった。
そして自分でチームやってみようかなって。本当にただのタイミングと自分の突発的な発想だったなぁ笑
ちょうどその頃すでにフリーランスとして独立していたのも自由なタイミングだった。
レースというものは情熱が全てだ。・・・と思っている。好きでなければ出来ない。それを仕事としてビジネスとして成り立たせるなら更に難関な課題が豊富にある。しかしそれを成り立たせる努力をし1本の柱として確立するまで3年はかかったと思う。
そして一度始めたら、それは止まらない。
チームの経験値は上がり結果が出始める。ライダーは育ち。もっと。もっと。もっと。もっと。より高みへ!!
ってね。
それは5年くらいして気づいたよ。「限度がある」と。
なんの限度か。それはチームとしての体力。そして人間(人材)のキャパの問題。
そこに気づかなかったらうちは今現在レースなんて出来なかっただろうね。
事業としてのレース
うちの会社は事業の一つとして外装のラッピングデザインを行っている。レース事業は単体で見ると収益等無いに等しい中で、それがリンク(ラッピング事業と)しているのは不思議ではあるが国内最高峰のレースへの露出というのは大なり小なり世間への広報活動になっている部分がある。つまり自身の他事業のためにレース活動をしていると言っても過言では無い。もちろんそれだけでは無い自分のプライドもある。
裏を返せば広告という意味では効果的にゼロでは無いし、レース活動を通してビジネス的な話の幅も広がるわけで、その点に関して言えばモータースポーツもまだまだいけるんじゃないかなって思っちゃうところもあるんだよ。
それとGARAGE SHANTIはレース活動を行うお客さんライダーも多く在籍している。そこへの技術のフィードバックやチームとしてのコミュニティの形成に本隊の全日本チームはうまく機能している。
所属する(契約している)全てのライダーに結果を出させるのが自分の仕事でもある。
マシン・ライダー・チーム全てをプロデュースしていると言った方が正しいかもしれない。
つまりクリエイターとしてその環境を作り、提供している。
そしてそれが複雑にリンクし、派生し様々な事業となりえている。ありがたい事に。
更に言えば勝たなくてもチャンピオンを取らなくても事業的にはそれほど影響は無い。
・・・が。そんな事は考えた事も無いけどね笑←当たり前か。
地方選手権をはじめ多くのレースで表彰台を勝ち取ってきたが、その情熱が冷めることはもちろん無い。
勝ちたいと思わなければレースなんてやってらんないよ。
様々なレーシングチームがありますが、僕らのレースにはスポンサービジネスは絡んでいない。全てでは無いが、うちみたいなチームはスポンサーの収益だけでは長い目で見ると手詰まりの可能性が捨てきれないからだ。そこは最も冷静にならなければいけないと実感している。あくまで母体事業を中心として参戦することがうちの[企業としてビジネスとして]大事なことなんだ。
今後、ビジネスとして更に展開するのにまだまだ足りないものがたくさんある。
一つずつ見つけながらチーム全体で成長出来れば最高だね。
↑↑今季走らせているHONDA CBR250RRには当社事業としてのサービス:ラッピングデザイン/パーツ/車体構成他、全ての技術が詰まっている一つの作品であり広告媒体でもある。
2021〜レース活動について
2019年まではST600クラスという600ccのカテゴリーをメインとして走らせてきたが、合わせて参戦を始めたJP250クラス(プロダクション250cc)に2020年今シーズンは集約している。
JP250は正式には全日本併催クラスだけどね。ぜひ正式に開催されて欲しいと思ってる。
恐らく来シーズンも同じカテゴリーに継続参戦するだろう。
コロナの影響もあり2年程お休みする事になってしまったが、鈴鹿4耐やその他耐久レースにも参戦するかもしれない。
そもそもいつまでレース活動をするのか??
出来なくなるまでやるだろうね。そこはプライドしかない。やるからには最後までやり遂げたい。
今後、ニーズに合わせてカテゴリーの変更などもあると思う。時代時代で変わって行く。発売される各メーカーの車両にも左右される。これは正直わからない。
モータースポーツの発展のお手伝いと、その素晴らしさを少しでも仕事を通して発信出来たら幸いです。
そしてある程度冷静に。一歩引いて考えるということ。視野が狭くなればお終いだ。
微妙な綱渡りをしているこの感覚。
最後に。話が少し逸れますが・・・。
「自分のチームをやりたいんです」
という相談を受けた事がある。答えは一つ。
「やり始めたらいい」
だって、凡人の俺が出来て他の人に出来ない事はないよ。働き方が変わり、総フリーランス時代が見えて来ている中で自身の世界観を身に付ける事はとても大事な事だと思う。やってみてから見えてくるものはたくさんあるし、やらなければ見えないものもある。だからやってみたらいい。
今年うちが作ったハッシュタグでチームテント内にも印刷されている
「THE SHANTI WORLD」
これが、私が自分で作った自分の世界観の表現だよ。ってね。